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準備待想

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2017-04-30

言語習得のモデル 「いわゆる具体→抽象」ということの実際について

少なくとも次のようなタイプの「習得過程」は理念的には存在する。 「抽象的」とか「理念的」と言われる言語使用の一部はこのタイプに分類される。学者の名前で言えばレイコフあたり。

ただし子供の言語習得は、「具体→抽象」というふうに進行しているとばかりは到底言えない。(むしろ、規範的な言語を否応なしに習得させられ、事後的に価値中立的な言い方を学習することも多い。)

これらを比喩と呼ぶのも保留した方が良い。何が比喩であり何がそうでないかは、比較的どうでも良い。

これらの表現を、受信する立場で理解できるのと、発信する立場になって使いこなすことができるのとは、別次元の能力である。後者に関しては、いわゆるコロケーションを使う能力と同様のものが要求される。つまり、「こういう表現は存在する。こういう表現は存在しない。」という「知識」である。しかし、受信して理解するだけなら、その種の言語知識は無くてもなんとかなることが多い。

  • 「砂糖が甘い。」→「考えが甘い。」
  • 「風船が浮いている。」→「仲間内であの人が浮いている。」
  • 「ヨーグルトには乳酸菌が含まれている。」→「料金には消費税が含まれている。」→「あの人の発言には毒が含まれている。」
  • 「万有引力の法則が働いている。」←「父は商社で働いている。」
  • 「ペットを育てる。」→「アイデアを育てる。」
  • 「自転車を倒す。」→「敵を倒す(斃す)。」
  • 「18は7では割り切れない。」→「割り切れない思いがする。」
  • 「夜風が冷たい。」→「あの人の態度が冷たい。」
  • 「この住宅は土台がしっかりしていない。」→「学生時代の経験を土台にして社会人として生きる。」
  • 「栄養をとる。」→「連絡をとる。」
  • 「都心部に人口が集中する。」←「勉強に集中する。」
  • 「フィリピンはアメリカ合衆国の植民地だった。」→「北里大医学部は慶応義塾大医学部の植民地だ。」
  • 「右の方向にハンドルを切る」→「彼は自分の都合の良い方向に会議を誘導した。」
  • 「マラソンのゴールは○○競技場だ。」→「ゴールの見えない議論にうんざりした。」
  • 「大波が船体を覆した。」→「彼の手法は常識を覆すものだ。」

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