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2018-01-15 首都圏における「大卒率×平均寿命」の地域格差の整理

厚生労働省大臣官房統計情報部人口動態・保健社会統計課による「平成22年市区町村別生命表」(URL)および『【都道府県】貴志原の情報局【市区町村】』「首都圏学歴マップ&ランキング」(URL)に依拠して、首都圏における寿命と大卒率の地域格差を整理しておく。

「住民の寿命が長く大卒率の高い」市区

男性と女性の平均寿命が両方とも、ある程度以上長く、かつ、大卒率がある程度以上高い市区を隣接関係に基づいて分類すると、以下の表のようになる。

範域1
  • 西東京市(大卒率:43.2% 寿命:男80.8歳 女86.8歳)
  • 小平市(大卒率:44.5% 寿命:男80.9 女87.1)
  • 国分寺市(大卒率:51.4% 寿命:男80.8 女87.1)
  • 国立市(大卒率:46.9% 寿命:男80.8 女86.8)
  • 小金井市(大卒率:52.3% 寿命:男81.8 女87.0)
  • 三鷹市(大卒率:43.8% 寿命:男80.6 女87.6)
  • 武蔵野市(大卒率:54.6% 寿命:男80.9 女86.8)
  • 東京都杉並区(大卒率:50.3% 寿命:男81.9 女88.2)
  • 東京都世田谷区(大卒率:51.2% 寿命:男81.2 女87.5)
  • 東京都目黒区(大卒率:50.8% 寿命:男81.5 女87.7)
  • 川崎市多摩区(大卒率:48.1% 寿命:男81.1 女87.5)
  • 川崎市麻生区(大卒率:53.1% 寿命:男81.2 女87.7)
  • 町田市(大卒率:42.7% 寿命:男81.1 女87.1)
  • 多摩市(大卒率:46.0% 寿命:男81.5 女87.2)
  • 横浜市青葉区(大卒率:58.8% 寿命:男81.9 女88.0)
  • 横浜市緑区(大卒率:40.4% 寿命:男80.6 女87.8)
  • 川崎市宮前区(大卒率:48.2% 寿命:男82.1 女87.4)
  • 横浜市都筑区(大卒率:48.5% 寿命:男82.1 女87.5)
  • 横浜市港北区(大卒率:48.8% 寿命:男80.7 女87.1)
範域2
  • 横浜市戸塚区(大卒率:41.3% 寿命:男80.8 女87.3)
  • 横浜市港南区(大卒率:40.4% 寿命:男81.3 女87.0)
  • 横浜市栄区(大卒率:43.2% 寿命:男80.9 女86.9)
  • 横浜市金沢区(大卒率:44.0% 寿命:男81.1 女87.0)
  • 鎌倉市(大卒率:50.6% 寿命:男81.1 女86.9)
  • 藤沢市(大卒率:41.1% 寿命:男80.7 女86.9)

「住民の寿命が短く大卒率の低い」市区

男性と女性の平均寿命が両方とも、ある程度以上短く、かつ、大卒率がある程度以上低い市区を隣接関係に基づいて分類すると、以下の表のようになる。

範域1
  • 鳩ケ谷市(大卒率:22.1% 寿命:男79.0 女85.4)
  • 川口市(大卒率:28.9% 寿命:男79.0 女85.8)
  • 東京都足立区(大卒率:23.8% 寿命:男78.5 女85.4)
  • 東京都墨田区(大卒率:28.5% 寿命:男78.1 女85.7)
  • 東京都江戸川区(大卒率:29.4% 寿命:男78.6 女85.4)
  • 東京都荒川区(大卒率:26.9% 寿命:男77.8 女85.8)
範域2
  • 熊谷市(大卒率:25.8% 寿命:男79.3 女85.2)
  • 行田市(大卒率:22.9% 寿命:男79.1 女85.5)
  • 羽生市(大卒率:21.0% 寿命:男78.7 女85.7)
  • 加須市(大卒率:24.3% 寿命:男79.2 女85.0)
範域3
  • 銚子市(大卒率:12.5% 寿命:男77.8 女84.9)
範域4
  • 八街市(大卒率:19.1% 寿命:男78.7 女85.0)
範域5
  • 市原市(大卒率:23.2% 寿命:男78.9 女85.7)
範域6
  • 勝浦市(大卒率:13.3% 寿命:男79.3 女85.8)
範域7
  • 本庄市(大卒率:22.3% 寿命:男79.0 女85.6)
範域8
  • 秩父市(大卒率:16.4% 寿命:男78.8 女85.1)
範域9
  • 福生市(大卒率:28.8% 寿命:男78.8 女85.8)
範域10
  • 横須賀市(大卒率:27.6% 寿命:男79.4 女85.6)

簡単な総括

きわめて大まかとは言え、住民の大卒率と寿命との「掛け合わせ」で分類しても、一定程度「地理的な隣接関係」を見いだすことができる。もちろん、大卒率のほうの「データ」が町村を扱っていないため限界があるが、それにもかかわらず、というわけだ。このことからも、行政区分とは別に「地形」という自然的要因が、寿命やさらには大卒率にも一定程度影響を与えていることが推察される。もちろん「地形」(≒自然災害リスク)という自然的要因は「地価」にも影響を及ぼすので、そこに介在する要因や条件の一つが「経済的負担」であることは間違いないだろう。

なお、「大卒率は低い」かつ「平均寿命は高い」という市区が一つだけあった。神奈川県綾瀬市である(大卒率:26.4% 寿命:男80.5 女86.9)。この地域の最大の特徴は言うまでもなく「米軍基地」(厚木海軍飛行場)の存在である。この市がなぜ平均寿命が高いのか、平均寿命が高くなりそうな者がわざわざ老後に居住する地として選択するのか、その原因を把握することが地域格差を把握するための一つの方途ではないかと思う。なお筆者の勝手な推断を一つだけ記せば「耳が遠い老人には軍用飛行機の騒音は気にならないので、寿命には影響しにくい」というものだ。これを上回る仮説を打ち出すことが求められると言えるだろう。要するに綾瀬市は自然的要因では快適で健康的なはずの地域なのだが、軍基地の存在によって多くの人にとってはむしろ住むのが不快な地域になってしまっていて、だから大卒率の高い者が敢えてあまり住もうとは思わないが、耳の遠い老人ならば住むのが苦痛ではなく自然環境などもなかなか良い地域である、という仮説なわけだ。


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